[ INSIGHTS ]

「AI支援」は
消えていく

20社のIRと中期経営計画を横断して読むと、ある構造変化が見える。「AIを使った◯◯支援」というポジショニングが、5年以内にコモディティ化する未来。残るのは何か。

01

AIはすでに前提化している

調査した20社のうち 20社 が決算資料・中計・プレスリリースで明示的に「AI戦略」を掲げている。「AIを活用しています」はもはや差別化ではなく、参加条件。

20/20
AI戦略を明示している会社
11
「コア事業化」と位置づけ
101
確認できたAIテーマ総数
02

なぜ「AI支援」は消えるのか

  1. AIそれ自体がコモディティ化する

    ChatGPT 月20ドル、Cursor 月20ドル、Claude Code 月20ドル。支援される側が直接AIを叩ける時代に、間に立つ理由が薄くなる。

  2. 支援ツールがSaaS化して中抜きが発生する

    Odd-AI/CRAIS/Vect Method/BowNow/exaBase など、結局はクライアントが直接契約できるSaaSに収斂する。代理店レイヤーをスキップされる構造。

  3. AIネイティブ事業者が直接顧客に届く

    Vooster(トリドリ)/Autonomous AI(Appier)/PKSHA AIエージェントは、設計上「人間の代理店」を経由しない。AIが代理店の仕事そのものを担うように作られている。

03

2極化する:AIネイティブ事業者 × 代替不能アセット保有者

コモディティ化の波で消えるのは「中間に立ってAI支援を売る層」。生き残るのは2つの極。

[ POLE A ]

AIネイティブ事業者

AIを「作る」「組み込む」側。顧客が直接プロダクトを使う。中間を経ない設計が強み。

  • PKSHA Technology — AI SaaSシェアNo.1、ARR 84億
  • Appier — Autonomous AI、17市場 ARR 482億
  • トリドリ Vooster — AI自動運用広告、子会社化済
  • AnyMind — AnyAI+多言語AIライブコマース
  • HEROZ/エクサウィザーズ — AI受託+プロダクト化
[ POLE B ]

代替不能アセット保有者

独自データ/独自接点/人間関係/IP。AIで再現できないものを持っている側。

  • ベクトル — PR TIMES 10.8万社、タクシーサイネージ11,500台
  • サニーサイドアップ — 中田英寿らトップアスリート関係資本
  • サイバーエージェント — ABEMA/Cygamesの自社IP
  • 電通グループ — グローバル広告インフラ+顧客基盤
  • THECOO — Faniconのファンコミュニティ
[ コモディティ化リスクが高い中間層 ]

セプテーニ Odd-AI/アドウェイズ Vect/ピアラ全社AI/デジタルHD CRAIS/サイバー・バズ AI Buzz Engine 等、「AI支援を売る」設計の事業は、代替手段(顧客が直接SaaS契約 or AIネイティブ事業者)の出現で価値が薄まる構造的な圧力を受ける。

04

構造変化の見取り図

過去〜現在
クライアント
代理店/支援会社
(ここで儲ける)
ツール/メディア/クリエイター
これから
クライアント
↓ 直接契約 ↓
[ 中間層が消失 ]
AIネイティブ事業者 / アセット保有者
05

残るポジションの取り方

[ AVOID ]

主語を「AI」にしない

「AIを使った◯◯支援」「AIで◯◯改善」を看板にすると、5年以内にAIネイティブ事業者かSaaSベンダーに上位互換される。

[ TAKE ]

主語を「アセット」にする

独自データ/独自接点/IP/人間関係/業界特有の現場知。AIに学習させても再現できないものを核に置く。

[ HYBRID ]

AIネイティブ事業者を「下請け活用」する

競合視するのではなく、SaaSとして組み込んで自社オペを安くする。アセット側で勝負して、運用は外部AIに任せる。