「AI支援」は
消えていく
20社のIRと中期経営計画を横断して読むと、ある構造変化が見える。「AIを使った◯◯支援」というポジショニングが、5年以内にコモディティ化する未来。残るのは何か。
AIはすでに前提化している
調査した20社のうち 20社 が決算資料・中計・プレスリリースで明示的に「AI戦略」を掲げている。「AIを活用しています」はもはや差別化ではなく、参加条件。
なぜ「AI支援」は消えるのか
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AIそれ自体がコモディティ化する
ChatGPT 月20ドル、Cursor 月20ドル、Claude Code 月20ドル。支援される側が直接AIを叩ける時代に、間に立つ理由が薄くなる。
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支援ツールがSaaS化して中抜きが発生する
Odd-AI/CRAIS/Vect Method/BowNow/exaBase など、結局はクライアントが直接契約できるSaaSに収斂する。代理店レイヤーをスキップされる構造。
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AIネイティブ事業者が直接顧客に届く
Vooster(トリドリ)/Autonomous AI(Appier)/PKSHA AIエージェントは、設計上「人間の代理店」を経由しない。AIが代理店の仕事そのものを担うように作られている。
2極化する:AIネイティブ事業者 × 代替不能アセット保有者
コモディティ化の波で消えるのは「中間に立ってAI支援を売る層」。生き残るのは2つの極。
AIネイティブ事業者
AIを「作る」「組み込む」側。顧客が直接プロダクトを使う。中間を経ない設計が強み。
- PKSHA Technology — AI SaaSシェアNo.1、ARR 84億
- Appier — Autonomous AI、17市場 ARR 482億
- トリドリ Vooster — AI自動運用広告、子会社化済
- AnyMind — AnyAI+多言語AIライブコマース
- HEROZ/エクサウィザーズ — AI受託+プロダクト化
代替不能アセット保有者
独自データ/独自接点/人間関係/IP。AIで再現できないものを持っている側。
- ベクトル — PR TIMES 10.8万社、タクシーサイネージ11,500台
- サニーサイドアップ — 中田英寿らトップアスリート関係資本
- サイバーエージェント — ABEMA/Cygamesの自社IP
- 電通グループ — グローバル広告インフラ+顧客基盤
- THECOO — Faniconのファンコミュニティ
セプテーニ Odd-AI/アドウェイズ Vect/ピアラ全社AI/デジタルHD CRAIS/サイバー・バズ AI Buzz Engine 等、「AI支援を売る」設計の事業は、代替手段(顧客が直接SaaS契約 or AIネイティブ事業者)の出現で価値が薄まる構造的な圧力を受ける。
構造変化の見取り図
(ここで儲ける)
残るポジションの取り方
主語を「AI」にしない
「AIを使った◯◯支援」「AIで◯◯改善」を看板にすると、5年以内にAIネイティブ事業者かSaaSベンダーに上位互換される。
主語を「アセット」にする
独自データ/独自接点/IP/人間関係/業界特有の現場知。AIに学習させても再現できないものを核に置く。
AIネイティブ事業者を「下請け活用」する
競合視するのではなく、SaaSとして組み込んで自社オペを安くする。アセット側で勝負して、運用は外部AIに任せる。